令和4年 問2
問2 相続に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 被相続人の生前においては、相続人は、家庭裁判所の許可を受けることにより、遺留分を放棄することができる。
2 家庭裁判所への相続放棄の申述は、被相続人の生前には行うことができない。
3 相続人が遺留分の放棄について家庭裁判所の許可を受けると、当該相続人は、被相続人の遺産を相続する権利を失う。
4 相続人が被相続人の兄弟姉妹である場合、当該相続人には遺留分がない。
正解 3
肢1 〇 解説
被相続人が亡くなる
・
・
遺留分の制度は、相続の制度に含まれているものです。
(例えるなら肢4の解説へ✨↓↓)
相続を、ケーキ全体🎂とすると、遺留分は、ケーキの一部分であるイチゴ🍓です。
相続開始前には、「ケーキ丸ごと要らないよ(相続放棄)」と前もって言うことはできないんですが、
相続開始前でも、「ケーキの上のイチゴは要らないよ(遺留分放棄)」と前もって言うことはできるんです!
条文の通り、
肢2 〇 解説
今度は、
実は、相続開始前に相続を放棄する、というのは、ちょっと危険なんです😟
「お前になんか、相続させねぇ!」とオヤジに怒鳴られて、シブシブ相続というものを、丸ごと放棄させられているのかも知れません😟💦
そのため、相続開始
条文でも、
肢3 ✕ 解説
相続は、ケーキ丸ごと🎂、遺留分は、ケーキのイチゴ🍓でしたね。
「ケーキのイチゴは要らないけど、ケーキは食べたい」ということは、当然OKです。
ちなみに、遺留分を放棄するけど、相続を放棄しないというのは、
「俺は、特に問題ないんだったら、オヤジの財産を相続したいんだけど、オヤジが愛人に財産全部あげたいっていうんなら、俺は、それでもかまわないぜ」という状態です。
肢4 〇 解説
遺留分というのは、例えば、被相続人が「俺の財産は、愛人に全部あげちゃう」と遺言を書いても、残された家族が「いやいや、それじゃ生活できなくなっちゃうから、半分は返してちょうだい!」といえるという話です。
それでは、誰が、この遺留分を持っているのかを覚えましょう✨
残された相続人が、被相続人の財産を、今後の生活費として当てにしていいものかどうか、考えてみましょう🤔
一般的にですが、奥さんがダンナさんの財産を当てにするのはアリですし、子どもがオヤジの財産を当てにするのもアリでしょう。
でも、弟がアニキの財産を当てにする、ってのは、ちょっと…ですね🤔
だから、
アニキが「俺の財産は、愛人に全部あげる」と遺言を書いてしまったら、弟には1円も回ってきません。
弟が可哀そうな気もしますが、そもそも本人の財産の使い道は本人が決めるのが当然なんですから、本人の望み通り「愛人に全部」でいいんです。
兄弟姉妹に遺留分が無いということ、条文でも確認しておきましょう👀
なお、「兄弟姉妹以外の相続人」には遺留分が有りますから、
「俺の財産は、愛人に全部あげる」と遺言を書いても、奥さんや子どもは、愛人から、全財産のうちの「2分の1」を取り返すことができます。
本人の意思も大切ですが、残された家族の生活も大切、ということで、半々で決着します。
相続人がお父さんお母さんだけ、のように、「直系尊属のみ」の場合には、愛人から取り返せるのは「3分の1」になります。
奥さんも子どももいない場合には、本人の意思が、より重視されるんですね😊