令和4年 問4

令和4年 問4

問4 A所有の甲土地にBのCに対する債務を担保するためにCの抵当権(以下この問において「本件抵当権」という。)が設定され、その旨の登記がなされた場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

 Aから甲土地を買い受けたDが、Cの請求に応じてその代価を弁済したときは、本件抵当権はDのために消滅する。

 Cに対抗することができない賃貸借により甲土地を競売手続の開始前から使用するEは、甲土地の競売における買受人Fの買受けの時から6か月を経過するまでは、甲土地をFに引き渡すことを要しない。

 本件抵当権設定登記後に、甲土地上に乙建物が築造された場合、Cが本件抵当権の実行として競売を申し立てるときには、甲土地とともに乙建物の競売も申し立てなければならない。

 BがAから甲土地を買い受けた場合、Bは抵当不動産の第三取得者として、本件抵当権について、Cに対して抵当権消滅請求をすることができる。

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正解 1

令和4年 問4
問4 A所有の甲土地にBのCに対する債務を担保するためにCの抵当権(以下この問において「本件抵当権」という。)が設定され、その旨の登記がなされた場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

債権者   債務者
   ――→ 
  抵当権
  土地(所有)

 遺留分放棄、の問題ですね😊

 相続放棄、と勘違いしないようにしましょう!!

 被相続人が亡くなる、つまり、相続開始は、
 ・相続放棄することはできないのですが、
 ・遺留分放棄することはできるのです。

 遺留分の制度は、相続の制度に含まれているものです。

 遺留分とは、遺言によっても奪うことのできない、遺産のうちの一定割合の留保分のことをいいます。
(例えるなら肢4の解説へ✨↓↓)

 相続を、ケーキ全体🎂とすると、遺留分は、ケーキの一部分であるイチゴ🍓です。

 相続開始前には、「ケーキ丸ごと要らないよ(相続放棄)」と前もって言うことはできないんですが、

 相続開始前でも、「ケーキの上のイチゴは要らないよ(遺留分放棄)」と前もって言うことはできるんです!

肢1 〇 解説

令和4年 問4
問4 A所有の甲土地にBのCに対する債務を担保するためにCの抵当権(以下この問において「本件抵当権」という。)が設定され、その旨の登記がなされた場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

令和4年 問4
 Aから甲土地を買い受けたDが、Cの請求に応じてその代価を弁済したときは、本件抵当権はDのために消滅する。 被相続人の生前においては、相続人は、判所の許可を受けることにより、遺留分放棄することができる。

 遺留分放棄、の問題ですね😊

 相続放棄、と勘違いしないようにしましょう!!

 被相続人が亡くなる、つまり、相続開始は、
 ・相続放棄することはできないのですが、
 ・遺留分放棄することはできるのです。

 遺留分の制度は、相続の制度に含まれているものです。

 遺留分とは、遺言によっても奪うことのできない、遺産のうちの一定割合の留保分のことをいいます。
(例えるなら肢4の解説へ✨↓↓)

 相続を、ケーキ全体🎂とすると、遺留分は、ケーキの一部分であるイチゴ🍓です。

 相続開始前には、「ケーキ丸ごと要らないよ(相続放棄)」と前もって言うことはできないんですが、

 相続開始前でも、「ケーキの上のイチゴは要らないよ(遺留分放棄)」と前もって言うことはできるんです!

民法1049条1項  相続の開始における遺留分放棄は、判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。

 条文の通り、遺留分放棄については、家裁のチェックを受けて、その許可をもらえば、OKになっています😊

肢2 ✕ 解説

令和4年 問4
 Cに対抗することができない賃貸借により甲土地を競売手続の開始前から使用するEは、甲土地の競売における買受人Fの買受けの時から6か月を経過するまでは、甲土地をFに引き渡すことを要しない。 家庭裁判所への相続放棄の申述は、被相続人の生前には行うことができない

 今度は、遺留分放棄ではなく、相続放棄の問題です。

 実は、相続開始前に相続を放棄する、というのは、ちょっと危険なんです。

 「お前になんか、相続させねぇ!」とオヤジに怒鳴られて、シブシブ相続というものを、丸ごと放棄させられているのかも知れません。

 そのため、相続開始相続放棄はできないことになっています。

民法915条1項  相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

 条文でも、相続放棄は、相続の開始ということになっていますね。

肢3 ✕ 解説

令和4年 問4
 本件抵当権設定登記後に、甲土地上に乙建物が築造された場合、Cが本件抵当権の実行として競売を申し立てるときには、甲土地とともに乙建物の競売も申し立てなければならない。 相続人が遺留分放棄について家庭裁判所の許可を受けると、当該相続人は、被相続人の遺産を相続する権利を失う

 相続は、ケーキ丸ごと、遺留分は、ケーキのイチゴでしたね。

 「ケーキのイチゴは要らないけど、ケーキは食べたい」ということは、当然OKです。

 遺留分放棄しても、相続放棄したことにはならないんです。

肢4 ✕ 解説

令和4年 問4
 BがAから甲土地を買い受けた場合、Bは抵当不動産の第三取得者として、本件抵当権について、Cに対して抵当権消滅請求をすることができる。 相続人が被相続人の兄弟姉妹である場合、当該相続人には遺留分ない

 遺留分というのは、例えば、被相続人が「俺の財産は、愛人に全部あげちゃう」と遺言を書いても、残された家族が「いやいや、それじゃ生活できなくなっちゃうから、半分は返してちょうだい!」といえるという話です。

 それでは、誰が、この遺留分を持っているのかを覚えましょう。

 残された相続人が、被相続人の財産を、今後の生活費として当てにしていいものかどうか、考えてみましょう。

 一般的にですが、奥さんがダンナさんの財産を当てにするのはアリですし、子どもがオヤジの財産を当てにするのもアリでしょう。

 でも、弟がアニキの財産を当てにする、ってのは、ちょっと…ですね。

 だから、兄弟姉妹には、遺留分というものはないんです。

 アニキが「俺の財産は、愛人に全部あげる」と遺言を書いてしまったら、弟には1円も回ってきません。

 弟が可哀そうな気もしますが、そもそも本人の財産の使い道は本人が決めるのが当然なんですから、本人の望み通り「愛人に全部」でいいんです。

 兄弟姉妹に遺留分が無いということ、条文でも確認しておきましょう。

民法1042条1項  兄弟姉妹以外相続人は、遺留分として、・・・財産の価額に、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合を乗じた額を受ける。
一 直系尊属のみが相続人である場合 3分の1
二 前号に掲げる場合以外の場合 2分の1

 なお、「兄弟姉妹以外相続人」には遺留分が有りますから、

 「俺の財産は、愛人に全部あげる」と遺言を書いても、奥さんや子どもは、愛人から、全財産のうちの「2分の1」を取り返すことができます。

 本人の意思も大切ですが、残された家族の生活も大切、ということで、半々で決着します。

 相続人がお父さんお母さんだけ、のように、「直系尊属のみ」の場合には、愛人から取り返せるのは「3分の1」になります。

 奥さんも子どももいない場合には、本人の意思が、より重視されるんですね。